中国ビジネスには、日本では考えられないような様々なリスクがつきまといます。
特に中国本土で展開をする企業には、製品安全事故、ライバル他社による中傷、知的財産権の侵害、優秀な人材の採用難、政府当局による干渉、灰色収入の問題等、様々なトラブルが想定され、このようなリスクを抱えながら、ビジネスを展開していく事は非常に困難です。
ではどうすれば、こういったリスクを軽減できるのか?
日本企業が中国で成功するには、シナジー効果を発揮でき、かつ信頼出来る中華系のパートナー(提携先あるいは取引先等)を持つ事が非常に重要です。
実際に中国における成功事例は、頂新グル―プとサンヨー食品、中国茉織華グループとマツオカコーポレーション、東風汽車と日産等、ほぼ例外なく中華系企業との良好なパートナーシップ構築に裏打ちされたものです。
しかし、現実にはそのような条件を満たす優良企業と出会えるケースは稀であり、仮に出会えたとしても、相互の足並みが揃わず、最終的には合作が失敗に終わるケースの方が多く、最悪の場合、実質的に会社を乗っ取られたり、資金を騙し取られたりするケースもあります。
ではどうすれば、優良企業とのパートナーシップ構築に成功できるのか?
日中間の商習慣の違いは非常に大きく、日本式の経営方式のままでは、中国市場に順応する事は困難です。一例を挙げると、未だに人治主義的な要素が強い中国では、所謂「灰色収入」という正規収入以外のグレーな収入が常態化しており、非公式な情報となりますが、中国全土の灰色収入の総額はGDP(国内総生産)の20%以上に相当すると推計されるほど社会に深く根付いており、これがなければ円滑なビジネス交流は困難な状況です。こういった灰色収入の問題をひとつ取っても、日本式の杓子定規な方法では、上手く解決が出来ません。
そのため、経営の現地化が不可欠になりますが、大半の企業は多大な時間と労力を費やして取り組んではいるものの、現地化を思うように推進出来ておりません。
ではどのように現地化を推進すれば良いのか?
古来の孫子兵法にも「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」とありますが、正しく中国市場を把握する事は、成功への第一歩となります。しかし、現地の調査会社任せでは、ステレオタイプな市場調査は可能でも、現地の潜在的な課題を的確に把握する事は困難であり、往々にして課題認識の甘い、不完全な調査結果となってしまいます。
このような杜撰な市場調査に基づいて進出計画を立てたところで、机上の空論に過ぎず、進出後に深刻な課題に直面し、辛酸をなめる企業様が非常に多いのが現状です。
では、これらの問題を解決するにはどうすれば良いのか?